WHO非感染性疾患予防対策の最優先疾患である骨粗鬆症は、「骨強度の低下を特徴とし、骨折になりやすくなる骨格疾患」であり、50歳女性のほぼ50%が将来骨折を経験するとされています。
また、骨粗鬆症は骨折など様々な疾患を引き起こします。骨折は寝たきり患者・要介護者の増加に関わる大きな原因でもあります。骨密度によって骨の強さは決まり、骨密度が10~15%低下すると骨折リスクは倍増します。
骨粗鬆症による大腿部骨折の頻度は上がり2005年で148,000人。2025年には30万人を超え、医療費、介護費も二兆円を超えると推計されています。骨粗鬆症検診率は平成19年度で5.6%である。
また、骨粗鬆症受診率が高い都道府県ほど要介護率が低いことから、骨粗鬆症のスクリーニング(簡易検査)による検診率の向上が急務であり、骨粗鬆症の対策として今後「受診率を高める方法」「新規な骨粗鬆症検診法」などの新しい視点での受診率向上が期待できる骨粗鬆症対策を検討する必要があります。

- ・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006
- ・日本骨粗鬆症学会誌
- ・第11回骨粗鬆症学会シンポジウム2
- 骨粗鬆症予防のための検診の役割 ―わが国における骨粗鬆症検診の実態と問題―
- 山内広世 西川 憲、折重 肇(財団法人骨粗鬆症財団) 細井孝之(国立長寿医療センター) 福永仁夫(川崎医科大学)
- 骨粗鬆症予防のための検診の役割 ―健康増進法における骨粗鬆症検診―
- 南 二郎(厚生労働省健康局総務課地域保健室生活習慣病対策室)
歯槽骨骨粗鬆症・歯周炎・骨粗鬆症にはそれぞれ、歯の喪失につながる相互関係があります。
骨粗鬆症の徴候は全身の骨ではなく顎骨、特に歯槽骨頂にまず変化が現れます。歯周ポケットが深くなり、アタッチメントロスを引き起こします。これらは、歯槽骨の吸収と歯の喪失につながるのです。
日本歯周病学会による歯周病分類システム2006の、全身性疾患の関連性歯周炎の分類の中で、全身性骨粗鬆症の併存は歯周病の進行を早めるとされています。検診による受診率向上が要介護者数を減らすことにつながります。
■リスクファクターによる歯周炎の分類
- 1)全身性疾患関連性歯周炎
- 骨粗鬆症 / 骨減少症 ・白血病 ・糖尿病 ・AIDS・後天性好中球減少症
( 日本歯周病学会による歯周病分類システム2006 )
顎骨、特に歯槽骨頂に骨粗鬆症の徴候が出て、歯槽骨の吸収と歯の喪失につながることから、顎骨の骨粗鬆症(歯槽骨骨粗鬆症)を評価することで骨粗鬆症の予兆をとらえることが出来ます。
- ・顎骨、特に歯槽骨頂に骨粗鬆症の徴候が出る
- ・全身の骨ではなく、顎骨にまず変化が現れる
- ・歯周ポケットが深くなり、アタッチメントロスを引き起こす
- ・歯槽骨の吸収と歯の喪失につながる
(Krall EA.Osteoporosis and the risk of tooth loss. Clin Calcium. 2006 Feb;16(2):287-90. Review.)
そこで、顎骨骨密度評価システム(Bone・Right/ボーンライト)を導入します。歯槽骨骨粗鬆症の評価並びに骨粗鬆症の簡易スクリーニング、そして顎骨壊死の回避の診断補助につながることから医科歯科連携、病診連携を可能にし、これにより骨粗鬆症潜在患者1200万人・骨粗鬆症患者の口腔管理を歯科で行うことが可能です。
顎骨骨密度評価システム(Bone・Right/ボーンライト)は歯科で使用しているレントゲン写真を使用した骨粗鬆症のスクリーニング(簡易検査)を可能にしました。
簡単,安価,短時間,誰でも出来ます。骨粗鬆症の予兆をとらえるという特徴を持ったスクリーニングソフトで、ビスフォスフォネート薬剤が引き起こす、ONJの回避にもつながります。
■骨粗鬆症のスクリーニング
- ・骨量減少者のスクリーニングであり、骨粗鬆症の診断ではない。
- ・簡単,安価,短時間,誰でも出来る
- ・骨折予測精度骨粗
- ・鬆症予測精度

- ・Krall EA.Osteoporosis and the risk of tooth loss. Clin Calcium. 2006 Feb;16(2):287-90. Review.
- ・日本歯科評論通刊第746号 特集
- 「口腔と骨粗鬆症」
- 2006 p-87~90
- プリベンティブ ペリオドントロジーPeriodontal Medicine (医歯薬出版)
- 2007 p-115 ~122
- 骨粗鬆症治療 顎骨壊死のEBM(ビスホスホネート投与と顎骨)
- 2008 p-68 ~71